狭山市で介護サービスを展開しているちゃのみの設立宣言の背景をご紹介

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設立宣言

設立宣言

1 私たちは、年をとっても、体が不自由になっても、誰もが人として尊重され、健康で文化的な生活を営むことができるよう活動します。

現実の社会には、この理念の実現を阻む様々な状況が広がっています。高齢者でなくても、「人として尊重され、健康で文化的な生活を営む」権利を侵害されている事例はつきることはありません。それに加えて、高齢者は、年をとったから、体が不自由だからと様々な制約を受けています。「活動します」と結んでいるのは、この現実を受け身でとらえるのではなく、多くの人々と力を合わせて切り拓いていくという強い意志を含んでいます。もちろん高齢者もいっしょに切り拓く仲間です。
 その視点に立って始めて、どのような現実の中でも、お互いを尊重し、いたわり、励まし合い、信頼し合う豊かな人間関係をつくることができると確信するものです。
 

2 私たちは、高齢者が住み慣れたところで安心して住み続けられるよう、地域の高齢者のつながりを大切にし、地域密着型で、小さくてもあたたかい施設づくりをめざします。

高齢者において「人として尊重され、健康で文化的な生活を営む」権利を実現するには、なにが必要でしょうか。
 その一つが、一人ひとりが大切にされ、安心して過ごせる居場所づくりとしての通所介護施設です。二つめに高齢者の自宅での日常生活を支えるための訪問介護が必要不可欠です。そして3つめに入居施設です。重度になっていくと、家族の負担が増え、それを軽減するためには施設入所は避けられませんし、独居や高齢者世帯などのために、比較的元気な内から入居できる施設があれば、安心して過ごすことができます。
 2000年までは介護事業は自治体の福祉施策の一環として実施されていましたが、それを利用できる人は限られていました。介護保険事業が始まってからは、介護サービス事業は成長産業と言われ、様々な業態の事業者が参入し、コムスンの不正請求事件などの事例に見るまでもなく、営利企業の草刈り場として、高齢者の安心とは違う方向ですすめられているのが実際です。
 この福祉施策を、行政にまかせきりではなく、大手の営利企業だよりでもなく、地域住民の手に取り戻そうという取り組みが、私たちのNPO法人による介護事業です。
 

3 私たちは、若い人たちの働く場としても、職員が誇りと働く喜びをもてるよう、職員の研修を行うとともに、待遇の向上をすすめられるような施設づくりをめざします。

介護事業はあくまでも介護保険財政の枠内での事業であり、施設条件や介護報酬が定められ、その制約の下で、創意工夫をこらし運営しています。政府は、介護保険制度の改定の度に保険給付抑制、利用抑制をすすめているのが実際であり、介護事業者には時には大きな困難をもたらします。
 こうした中で、収益向上をはかり、職員の待遇改善につながるように努力を続けています。
 法人の掲げる運営理念は、職員の介護現場での実践を通じて具体化され、その生きた経験の中から、さらに運営理念が深められていくという相互関係にあり、その深化の中でこそ、ちゃのみの事業の中で、高齢者の安心や人権は支えられ、職員の働く喜びや充実感が得られるものと考えています。